俺様教師の甘い罠












──────────”高坂”




聞き慣れたその低い声で
呼ばれるのは名前じゃなくて、
やっぱりしばらく”澪”って
呼んでくれないのかな、なんて・・・




そう思うと、寂しくて。




「 〜〜〜〜〜〜〜ッ 」




我慢できずに、泣いてしまった。
先生に見えないように顔を背けて
欠伸するときみたいに
口元を両手で覆って。




隠せてるかな、って
一瞬頭を過ぎったけど
そんなことより早く涙を止めないと・・・




声を押し殺して、泣き止まなきゃ、と
見えないように目元を何度も袖で拭って
止まれ、止まれ、って思えば思うほど
なんでか涙は溢れてきて、




・・・・止まらない。





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