俺様教師の甘い罠




くらっ、と目眩がして
タイミングよく離れた唇。




息を乱した私はそのまま
先生の腕の中で何度も
大きく息を吸うのに
先生は息なんて上がってなくて
それがまた悔しかった。




腰に添えられていた手は
背中に回って、
さっきまで顎を掴んでいた手も
今は背中に回っている。




また行き場をなくした私の手は
仕方なく先生の背中に回して
入らない力を精一杯こめて抱きついた。




「 ・・・・澪 」


「 ・・・・は、い 」




息を整えながら
涙で歪んだ視界に
先生を映す。




ふっ、と小さく笑った先生が
片手で私の首元に触れた途端




シャラッ、と音がした。




< 211 / 216 >

この作品をシェア

pagetop