俺様教師の甘い罠
「 ・・・高坂 」
声の主が誰かも知らずに
もう一度深い眠りへと
落ちかけた私の髪に
何かが優しく触れて、
「 ─────────起きろ、澪 」
触れたソレが、唇だってことに
気付くまでにそんなに時間は
かからなかった。
耳元で囁く低い声に
ビクッ、と肩を上げれば
今度は小さな笑い声が耳を掠めて、
「 ・・・・東条先生 」
「 俺の授業をサボるなんて
いい度胸だな? 」
今、私のこと名前で・・・・
「 放課後、補習な 」
「 ・・・・・へ? 」
「 言っとくけど、今4時だぞ 」
”バカ”と痛くない程度に
頭を小突かれて、それで
一気に眠気が覚めた。