俺様教師の甘い罠
「 ・・・ピンク嫌いですか? 」
「 いや、別に 」
薄ピンクのシャーペンを
器用に指先で回して、
”じゃあ、始めるぞ”と
教師用の教科書を片手に
先生が難しい公式の
解説を始めた。
──────────30分後。
「 ・・・・xは? 」
「 ・・・・3? 」
バコッ、と鈍い音がして
私は一人、頭を抱えていた。
「 お前・・・真面目にやれよ・・・ 」
さっきまで怒りを表していた
鋭い目は呆れたものに変わってきていて、
それでも私は真面目に考えた結果だ、と
言い張った。