俺様教師の甘い罠
「 あー・・・もう 」
黒板がないからか、先生は
特別にプリントを作ってくれて
それがとても難しかった。
なかなか先に進めない私を見て
何度目かの溜息を吐いた先生は
チラッ、と私を見て、
「 公式、無茶苦茶なんだよ 」
”ちゃんと覚えろ”と
教科書の角で小突かれた。
「 ・・・・そこ、計算ミス 」
「 ・・・・ほんとだ 」
薄ピンクのペンの先がプリントに
触れて、その問題の隣に小さく
×をつけられた。
5問中、5問。
今のところ全部に×をつけられていて
答えが合ってないんだと消しゴムで
回答を消そうとすれば、”いい”と
先生が止めた。