俺様教師の甘い罠




そのまま先生は開いていた窓を
閉めて、カーテンを閉めて、




「 ・・・・先生? 」




ガチャン、と書庫の鍵も閉めてしまった。




どうしたんですか、と首を傾げれば
先生はドアにもたれかかって




「 今日は6時に帰る予定だったんだけど 」


「 ・・・・?・・・はい 」


「 今、8時前なんだよね 」




そう言って、腕時計を見て小さく溜息。
もうそんな時間なんだ・・・
なんて、そんなことをのん気に思いながら
机の上に散らばったペンを片付けた。




「 俺の授業サボって、俺の時間食って
  ・・・・・・・・何か言うことは? 」


「 ・・・・・・ごめんなさい・・・? 」




薄暗い、というかもう真っ暗な
室内に微かに差し込む光。
急にどうしたんだろう、と
首を傾げながらそう答えれば
先生がゆっくりこっちに向かって
歩いてきた。





< 38 / 216 >

この作品をシェア

pagetop