俺様教師の甘い罠
妙に意識してしまって
手が震える。
真っ直ぐ先生を見られなくて
伸ばした手はノートにぶつかり、
積んであったノートが何冊か
先生の足元に落ちてしまった。
「 わっ・・・・すいません 」
「 ・・・・ああ 」
落ちたノートを横目で見たけど
先生が拾うわけもなくて、
仕方なく教卓の後ろにまわって
先生の足元に落ちたノートに
手を伸ばした。
「 そっち、俺が拾う 」
私の変な体制を気遣ってか
持っていた教科書を教卓に
置いた先生が私から一番
遠かったノートを拾い上げて、
───────────グイッ
”ありがとうございます”と
差し出した手を、先生が引っ張った。