俺様教師の甘い罠
頬に触れる熱い指先、
顎を掴んだ大きな手。
鼻にかかる吐息、
意地悪なことばかり言う低い声。
重なる唇から漏れる声が
自分のものだとは信じたくなくて
いつの間にか壁に背中が
ピッタリとくっついていて、
逃げられなくなっていて。
苦しいのに、辛いのに、
離れたくなくて、心地よくて。
余裕そうな先生を力のない
目で睨みながらも、
やめないで、と思っていた。
「 ・・・・・お、澪! 」
「 ・・・・・え? 」
あれは夢なんかじゃない。
そう思うと顔は自然と熱くなる。
両手で顔を包みながらいつの間にか
すぐ目の前にいた結花ちゃんに
どうしたの、と言えば鼻を摘まれた。