俺様教師の甘い罠
彼を好きになったことに
理由はない気がする。
ただ、”この人だ”って
どこかでそう思って、
気付いたら、綺麗なその人を
目で追っていた。
「 始業式が終わったら新しいクラスで
HRして帰れるから、その後その駅に
行ってみようか 」
「 うんっ! 」
クラス替えの紙が張り出された
掲示板の前で、やっぱり私は
結花ちゃんに抱きついていた。
高校に入学して2年目の春。
同じ列に名前を見つけた私たちは
大騒ぎして、始業式が行われる
体育館へと向かっていた。
「 結花ちゃん、今年もよろしくね! 」
「 お正月みたいなこと言うんだね? 」
そんなやり取りをしながら歩いていたら
体育館なんてあっという間について、
一列に並んだクラスの女子の後ろに
一緒になって並んだ。