俺様教師の甘い罠
「 ・・・・・あの時、東条先生が・・・・ 」
──────────────ガチャッ
「 はい、そこまで 」
少し間をあけて大きく息を
吸い込んだ結花ちゃんが
その先を言う前に、ドアが開いて、
「 予鈴、聞こえなかったか? 」
「 ・・・・先生 」
「 前山、お前は先に戻ってろ 」
ビクッ、と肩を上げた結花ちゃんは
大人しく階段を下りていって、
いつもなら私の手を引っ張って行って
くれるのにな、なんて思いながら
遠ざかっていく足音を聞いていた。