俺様教師の甘い罠
「 結花ちゃん、ごめんね・・・ 」
「 ううん、あたしこそ・・・ 」
青ざめた結花ちゃんの顔とは
正反対に赤い自分の顔。
熱を冷ますように下敷きで
顔を仰ぎながら、午後の授業も
私は外を眺めて過ごした。
「 お前ら、早く座れ 」
気付いたらHRで、廊下で騒いでいた
生徒にそう声をかけて先生は
教卓の前に立った。
相変わらずダルそうな低い声に
耳を傾ける生徒は見たところ
いないようで、みんな疲れて
眠そうにしていた。
「 ・・・・さっさと帰れ 」
”終わりだ”と先生が言っても
なかなか立ち上がらない生徒に
呆れたように声をかけながら
先生は教室を出て行った。