俺様教師の甘い罠




そんな先生の背中を追いかけて
書庫に向かおうとしたけど
先生とは逆方向へ向かって
少し遠回りして書庫に向かった。




第2校舎なんて先生くらいしか
使わないんじゃないかって
思うくらいに人がいない。




たまに資料を取りに来る先生が
居るって言っていたけど
見たことがない。




「 そっちから来たのか 」


「 え?・・・あ、はい 」




図書室の前で丁度先生と会って
ふっ、と小さく笑った先生の
少し後ろを歩きながら




あの時と同じ、夕日色に染まる
先生の後姿を見ていた。




「 早く入れ 」


「 ・・・・お邪魔します 」




ドアを開けて待っていた先生に
急かされて入ると、昨日のまま
部屋の隅に本が積んであった。




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