俺様教師の甘い罠




「 最後、知らないんだろ? 」


「 知りません 」


「 知りたくない? 」




窓の縁に浅く腰掛けながら
小さく首を横に振った。




気になるけど、怖い。
その”終わり”を知ってしまうのが怖い。




俯いた私の目の前に立った先生が
乱暴に頭を撫で回して、




「 お仕置き、決めた 」




そう言って、楽しそうに笑った。
首を傾げる私の手に小説を持たせて




「 これ、最後まで読んでこい 」


「 ・・・・え? 」


「 そんな嫌そうな顔されると
  読ませたくなるだろ、普通 」




お仕置きは、絶対。
そう言って笑う先生は
本当に意地悪だな、とムッとしながらも
鞄の中に小説を入れた。




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