俺様教師の甘い罠
常識なんて関係ない、なんて
言う勇気はない。
人の目なんて気にしない。
この小説の主人公のように
全校生徒の前で先生が好きだ、と
胸を張って言えたなら
少しは違っていたかもしれない。
「 ・・・・無理だよ・・・ 」
弱音を吐きながらも、ページを捲る手は
止まらない。
何度も知りたくない、と目を逸らして
怖い、と小説を閉じて。
だけどその度に、淡い期待が頭を過ぎる。
・・・・ハッピーエンド、かもしれない。
先生を好きだ、ということに
誰にも負けない自信はあっても
何があっても突き通す自信はない。