俺様教師の甘い罠
「 ・・・高坂? 」
どうした、と首を傾げる先生は
私よりも随分と背が高い。
私が平均より小さいせいも
あるんだろうけど、私の前には
先生の胸。
「 先生が好きだな、って
改めて思いました 」
小説を掴んだ先生の手に触れて
そっと目を閉じる。
思い出すのはその内容と、
主人公の行動、言葉。
洗脳されやすい私はたった一晩で
この一冊に心を動かされて
そして、掴まれてしまった。
「 ・・・・この小説の? 」
「 ・・・・東条先生が、です 」
本を読んでいたからなのか
珍しく眼鏡をかけていた先生は
片手で眼鏡を外して、
さっき置いた本の上に眼鏡を置いた。