俺様教師の甘い罠
145cm、と小さい身長のおかげで
ステージに上がった先生の顔は
見えなくて、
「 優しい先生だといいね 」
私と違って背の高い結花ちゃんは
まじまじとステージに上がった
先生たちを見ながら、”そうだね”
って微笑んでくれた。
春休み明けの少し浮ついた頭で
私は放課後のことを考えて
一人、頬を緩めていた。
「 澪、教室行こう? 」
「 うん 」
数歩前を歩いていた結花ちゃんが
振り返って、”みんな行っちゃったよ”と
私の手を引っ張る。
人の少なくなった廊下を
二人で走って、新しい教室へ向かった。