俺様教師の甘い罠




髪も綺麗に巻けてるねって
崩れない程度に私の頭を撫でて
しばらくお互いを褒め合った後
じゃあ行こうか、って歩き出した。




「 ・・・・ねぇ、結花ちゃん? 」


「 んー? 」


「 こっち・・・男子校しかないよ? 」




映画館の前を通り過ぎて、
可愛い雑貨屋さんの前を通り過ぎて、
ゲームセンターの前も通り過ぎた。




ここまで来ると、もう男子校しかない。




「 うん、だって男子校行くもん 」


「 ・・・・え!? 」


「 今日ねー文化祭なんだって! 」




私たちの学校より早い文化祭に
そうなんだ、って頷きながらも
先生との約束が頭を過ぎって
私は結花ちゃんの腕を引っ張った。




「 ・・・・澪? 」


「 ・・・・男子校、だよ? 」


「 男子校だよ? 」


「 危ないよっ 」




いいことないぞって先生も言ってたって
戻ろう、って腕を引っ張ると
結花ちゃんが私の手に触れて
ふっ、と優しく微笑んだ。




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