密フェチ†真夜中の蝶
真夜中のオフィス
「綺麗だ…まるで蝶が翅(ハネ)を広げたみたい」
無邪気な彼の言葉に、私はブルッと身震いした。
「あ、そうして震えると羽ばたいたように見えるね」
柔らかなくせ毛に、天使のようにあどけない顔、
『営業戦略課のプリンス』と呼ばれている男。
「ほら、もっとちゃんと見せてよ」
甘い声でねだるこの男は
本当に性質(タチ)が悪い。
私は目を伏せて、顔を背ける。
でも、いつだって---
彼の言うことに、逆らうことなんてできない。
私は両手の人差し指と中指を使って、『翅』をさらに押し広げる。
デスクの縁で開きっぱなしの、脚の感覚はすでにない。
…いつまで続くのかわからない羞恥の責めに、私は唇を噛みしめる。
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