【完】好きになんてなるワケないっ!!
「じゃ、やるか」
「は、はい……」
私と増岡綾綺はもくもくと本棚の整理に取り掛かる。
はぁ、この学校無駄に図書室広いんだよなぁ。
ほとんど利用者いないのに。
「……なぁ」
「は、はい」
掃除を初めて数十分。
増岡綾綺が口を開いた。
「お前、仁のこと好きなのか?」
「え……?」
まさか増岡綾綺にそんなことを聞かれるなんて思わなかった。
「あ、いや……別に聞いてみただけだけど」
「いえ、好き……じゃなくてむしろ苦手っていうか……」
「……そうか」
だってあの人なに考えてるのかわかんないし。
あの人のペースにのせられてばっかだもん。