【完】好きになんてなるワケないっ!!
「……本当にイヤなら、はっきりイヤって言っていいんだからな。アイツ、強引なとこあるし」
「そう、ですね」
はっきり言えたらいいんだけど……はっきり言って、また変に冷やかされたらイヤだし。
なかなか言えそうにもない。
「あんまり、無理すんなよ」
「……っ」
増岡綾綺って……やっぱり大人なんだ。
まさかこんなに優しい人だとは思わなかった。
「ありがとう、ございます……」
「別に、思ったこと言っただけだし」
無表情でそう言った彼だけど、頬がほんのり赤い気がした。