【完】好きになんてなるワケないっ!!
「茉奈ーおはよーっ!」
加恋が私に駆け寄る。
「おはよ。神谷くんと……まだ付き合ってないよね?」
「うん、付き合ってない。たまたま会っただけだよ」
付き合ってないと分かって、なぜか安心してしまう自分がいた。
あんな人……どうでも良いのに……。
「でもね、今日告白しようと思うんだ」
「え……?」
「さっき、放課後少し話したいって言ったらOKもらえたんだ!」
「そ、っか」
加恋が今日告白するってことは、今日、神谷くんと加恋は結ばれるかもしれない。
そう思うだけで胸が苦しくて押しつぶされそうになった。
「頑張って、ね」
心のどこかに素直に加恋を応援できない自分がいた。