【完】好きになんてなるワケないっ!!
まぁいっか。
今日ぐらいは中山仁のペースにのせられても……。
「あの、手……」
中山仁は全く手を離してくれない。
これじゃ恋人同士みたいじゃん……。
「良いじゃんっ!迷子になったら困るでしょ?」
中山仁……私のこと子ども扱いしてる?
「あの……子ども扱いやめてよ」
「だって倉持さんって小さくて子どもみたいじゃんっ」
そう言って私の頭の上に手をのせる。
「っ」
そして神谷悠に頭に手を置かれたときのことを思い出す。
ダメダメ!
私ってばまた思い出して……っ!
「どうかした?倉持さん」
「う、ううん、なんにもないよ」
神谷悠にドキッとしてしまったことが本当に悔しい。
あんな人大キライなのに……。