【完】空とキミ ‐十朱 朔也‐


………

……




「あぁ、別にいいんじゃねーの?
部屋余ってるし、問題ねーよ」




……この、馬鹿男…。


「わ、やったぁ! さすが同じ苗字!!
どっかの朔也とは違って、キミは話がわかるねー!!」


…悪かったな、話のわからない男で。




「まぁまぁ朔ちゃん、そう怒らずに。
でも凄いねぇー、キミ本当に俺らより年上なんだ?」

「そうだよ後輩たち!
私は偉大な先輩なのだっ!」

「…あはは」


……彼女の言葉と笑顔に大雅が引いている。

龍輝の馬鹿を笑って見てる“あの”大雅が。




「あー…、んじゃあ俺はそろそろ帰るから!」


…初めから引いていた健吾が苦笑いで手を振る。

そしてあっという間に…まさに「逃げる」ように部屋を出ていった。




「…じゃあ俺も今日は帰るわー。
朔ちゃん頑張ってねー?」


…女好きの大雅ですら、彼女から逃げ出した。




……俺だって逃げたいよ。


でも、この馬鹿二人を二人きりには出来ないだろ…。




「……はぁ…」




…すっかり意気投合して飲み始めた二人を横目に、大きく大きく息を吐いた。

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