【完】空とキミ ‐十朱 朔也‐
……意外と真面目なことも言える人なんだな。
龍輝の欠点をズバリ言い当てて、それでさりげなくアドバイスもしてる。
…顔は中学生だけど、やっぱり中身は大人、か…。
「龍輝くーん、元カレを思い出したらムラムラしてきちゃったー。
私を抱いて?」
……感心なんてしなきゃよかった。
「おーい朔也、抱いて欲しいってよ」
…何故そこで俺に振る?
「おや、朔也居たんだ?
ごめんごめん、すっかり存在を忘れてた!
いや、黒い服を着てるキミが悪い! 闇に同化して私を襲う気だな?」
「…アホか」
……こんな馬鹿のことなんて、やっぱり放っとけばよかった…。
「ねぇねぇ朔也ー」
「…今度はなんですか」
「もぉ寝るからさぁ、お姫様抱っこで布団に連れてってー?」
……くそ女…。