【完】空とキミ ‐十朱 朔也‐
想い


――……。


……。


「へぇ、マコっちゃん来てたんだ?」


龍輝のところへ人形やオモチャを届けた時、彼女が来ていたことを説明した。


「つーかよ、マコっちゃんとやり取りしてたなんて聞いてないぞ?」

「…やり取りはしてないよ。
彼女が一方的にメールしてきてただけ」

「それでもこうやって会って1日を楽しんできたんだろ?」


ニヤリと笑う龍輝。

多分次に出てくる言葉は…――、


「お前が女と二人で出かけるなんて珍しいよなぁ。
案外気が合うんじゃね? そのまま付き合っちまえば?」


――…予想通り。




「…マコと俺は“合わない”よ」

「そっか? マコっちゃん元気があっていい子だけどなー」

「馬鹿ばっかり言うから疲れる」


…龍輝も大概馬鹿だけど、マコはそれ以上だと思う。

だから多分、「疲れる」以外は無いだろうな…。




「しかしマコっちゃん、よくこんなに取れるよなぁ。
大雅でもコレは無理だろ」

「あぁ…うん、確かに凄かった」


人形、オモチャ、お菓子…それが次々と台から落ちるさまはかなり見ものだった。


と、称賛の声を上げる龍輝が袋からオモチャを取り出した時、


「あれ、なんだこれ?」


一緒に何かが引き出され、はらりと床に落ちた。

これは…、茶封筒?




「“朔也へ”だってさ」

「え?」


「お、諭吉が3枚」

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