【完】空とキミ ‐十朱 朔也‐
「…馬鹿朔也」
「……うん、そうだと思う」
「もぉー、普段は要らないことまでハッキリ言うくせにー」
「…ごめん」
…マコは、明らかに呆れている。
…うん、俺がマコの立場だったら俺も呆れる。
いや、今も自分で自分に呆れてるけど。
「…まぁいいや、行こ行こー」
「…うん」
再び車が動き出し、山道を進んでいく。
マコは何も言わず車を走らせ、俺もまた何も言わなかった。
…俺たちの距離は凄く近いのに、その想いは果てしなく遠い。
…そんな風に感じながらも、何も言うことは出来ず、ただ時間だけが過ぎていった。