【完】空とキミ ‐十朱 朔也‐
「あれ?さっきのお兄さんじゃん。
なに、もしかして私とシたくなった?」
「………」
…天使とか思った俺、死ね。
「…ええと、キミ中学生だよね?
こんなところに居ないで早く帰った方がいいんじゃないかな」
…さっきのことは無かったことにしよう。
と、何事も無かったかのように声をかける。
そうすると彼女は、おかしそうに笑って俺を見た。
「手は出さないくせにお説教はするんだ?」
「…キミが何か事件に巻き込まれたら、寝覚めが悪いなと思ったからね」
「ふぅん? でも大丈夫、心配しないでいいよ。
て言うかさぁ、私中学生じゃないんだよねー」
「…え?」
ゴソゴソとリュックの中を漁り、財布を取り出す。
「ほら」
そこから更に引き出されたのは…、運転免許証…。
「…19歳?」
…俺よりも、年上…?