【完】空とキミ ‐十朱 朔也‐
……マコは、いい女だ。
ワガママでうるさくて突拍子もないことを言う馬鹿な奴だけど、
だけどそれでも、凄くいい女だ。
「あ、お揃いのマグカップ買っちゃう?
偽新婚生活! 私の妄想部屋へようこそ! なんちゃって!!」
…ほんと、馬鹿な女だなぁ。
「…いいよ、2つ買おう」
「……へ?」
俺の言葉に、マコが驚いた顔をする。
だけどそれを気にすることなく、マグカップ2つをカゴに入れる。
「一緒にコーヒー飲みたいから、2つあった方がいいだろ?」
そう言った時、マコは凄く凄く嬉しそうな顔をした。
「ほんとにいいの!?」
「嫌なら買わないけど?」
「買う買う!! 一緒にコーヒー飲む!!」
無邪気な笑顔で馬鹿みたいに喜ぶマコ。
そういうところ、凄く可愛いなって思う。
「……ねぇマコ」
「んー?」
「マコは俺をどう見てる?」
適当な雑貨を手に取りながら、そっと小さく聞いてみる。