【完】空とキミ ‐十朱 朔也‐


「好きだよ」

「………」


「私は“運命だ”って本気で思ってる。
じゃなきゃ今こうやって一緒に居たりしないよ?」


清々しく、そして俺とは違って迷いの無い真っ直ぐな瞳。




「いつか、私のことを本気で好きにさせるから。
だから覚悟しといてね?」


にっこりと最上級の笑顔を見せたマコは、そのまま一人で歩き出した。




「…本気で、か…」




……俺はマコをどう見てる?

俺は彼女とどうなりたい?


何度目かわからない自問自答を繰り返し、そっと静かに息を吐く。




「朔也ー、これも可愛いよー」

「…あぁ、今行く」


遠くで手を振るマコに僅かな笑顔を返し、近くに寄る。




…俺は、

彼女とどうなりたい?




< 61 / 71 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop