【完】空とキミ ‐十朱 朔也‐
「…マコ」
「うん?」
「……そろそろ、部屋に戻るか」
「あ、そうだねー。
部屋の片付けもしなくちゃいけないもんね」
……結局俺は何も答えが出せず、いつもと同じようにマコを見た。
マコはそんな俺を見て少し寂しそうにしたけれど、それでもいつものように笑顔を見せた。
……。
そしてアパートに戻り、二人で部屋を彩っていく。
シンプルだった以前の部屋とは少し違って、今度はどこか女の子らしい部屋になってきた。
「なんか、私には似合わなくない?」
と、マコは照れたように笑ってたけれど、それでもやっぱり嬉しそうだった。
昼食はコンビニの弁当で済ませ、午後もまた部屋を片付けていく。
そして、夕方。
「作業終了ー!!」
もっと時間がかかるかと思っていたけれど、1日ですべてを片付けることが出来た。
「やっと一人暮らし再開!! 今日は久々に飲むぞー!!」
…と、あっという間にワインを開けてしまった。