【完】空とキミ ‐十朱 朔也‐
髪を撫でる手を頬へと移動させる。
そのまま指で唇をなぞり、そして首筋へと下りていく。
「………」
ただ眠ってるだけなのに、マコは、凄く綺麗だ。
もっと触れたい。
彼女のすべてを知りたい。
もっと、そばに居たい。
「………」
マコの服のボタンを1つだけ外し、僅かに肌を露出させる。
と、その時。
「…サクヤ」
マコの小さな声に、動きを止める。
「お酒…飲ませ、ろ…」
「………」
……ムードも何も無い寝言だ。
「吐くほど飲んだのに、まだ飲みたいの?」
…寝言に声をかけるなんて、俺も相当酔ってるかもしれない。
だけどそれでも…――、
「ほどほどにしとけよ、馬鹿女」
――…それでも俺は、そっと彼女にキスをした。
直後。
「…ずるい」
マコと目が合い、引き寄せられる。