おさななじみ

「待ってるから!」
 
「俺、待ってるから、妃那が追いかけてくるの!」
 
「待ってるから。ちゃんと一年、いつもみたいにお前が追いかけてくるの」
 
こんな約束をしたのは今年の春。
 
いつも遊んだ丘に立つ大きな木の下で。 
 
涙でぐちゃぐちゃな顔で妃那は「うん」と答えたのだっけ。
 
< 30 / 51 >

この作品をシェア

pagetop