おさななじみ
あたしと洸輝は幼馴染で、生まれてからずっと兄弟みたいにして育った。
 
 離れてるのが不思議なくらいで一緒にいるのが当たり前だった。
 
 でも、どうしても離れなくちゃいけない年がある。
 
 あたしと洸輝はひとつ年が違うから、洸輝が中学へあがるときあたしは小学六年生で、洸気が高校へあがるときあたしは中学三年生、学校が変わってしまえばいやでも離れなくてはいけない。
 
 あたしはいつも一年我慢して洸輝の後を追いかける。
 
 
 
 だからあたしは春が来なければいいといつも願ってしまう。
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