水仙
第一章
澄み切った風がボクの髪をなでた。
暑くもなく寒くもないこの季節、10月。ボクが生まれた月であり、一番好きな時期だ。
放課後のこのとき、ボクは友達と部活に励んでいた。
「涼!全部に水やってきたぞ」
ボクの名前を呼ぶ彼は、高校入学して出来た友達の日下健太だ
「了解、ご苦労様、健太」
高校1年のボクたちは、先輩のいない部活、植物研究会に所属している。先輩がいないというのは、今年の夏に3年が引退し、2年が誰もいない状況だからだ。
「にしても、なかなか変化が感じられないねぇ」
なんとも相応しくない言葉を発する健太は、実は、ボクが無理やり誘って部活に入ったのである。
「涼、健太君、こらからどこか遊びに行かない?」
声に反応して振り向いた矢先にいたのは、部員の一人、伊藤翔子だ。
彼女とは昔からの仲で、ボクに引っ付いて部活に入ったのだろう。名前が呼び捨てなのも昔から知っているからだな。
「いいねぇ。翔子ちゃんはどこ行きたい?」
「実は・・・」
彼女がポケットからなにやら紙切れを取り出した。
「何々・・・新作アイス期間限定発売・・・」
「抹茶レモン、250円・・・」
健太の声に光が消えかかった、当然だな。
「涼、どうする?」
小声でたずねてきた健太の顔はとある方向に同意を求めているようだった。
「いいんじゃないか、そこ行こうぜ。」
翔子と健太の顔が相反するかたちになった。
「裏切り者!」
そう言ってると思われる健太の眼差しをするりとかわし、植物たちの管理終わらして学校を後にした。
暑くもなく寒くもないこの季節、10月。ボクが生まれた月であり、一番好きな時期だ。
放課後のこのとき、ボクは友達と部活に励んでいた。
「涼!全部に水やってきたぞ」
ボクの名前を呼ぶ彼は、高校入学して出来た友達の日下健太だ
「了解、ご苦労様、健太」
高校1年のボクたちは、先輩のいない部活、植物研究会に所属している。先輩がいないというのは、今年の夏に3年が引退し、2年が誰もいない状況だからだ。
「にしても、なかなか変化が感じられないねぇ」
なんとも相応しくない言葉を発する健太は、実は、ボクが無理やり誘って部活に入ったのである。
「涼、健太君、こらからどこか遊びに行かない?」
声に反応して振り向いた矢先にいたのは、部員の一人、伊藤翔子だ。
彼女とは昔からの仲で、ボクに引っ付いて部活に入ったのだろう。名前が呼び捨てなのも昔から知っているからだな。
「いいねぇ。翔子ちゃんはどこ行きたい?」
「実は・・・」
彼女がポケットからなにやら紙切れを取り出した。
「何々・・・新作アイス期間限定発売・・・」
「抹茶レモン、250円・・・」
健太の声に光が消えかかった、当然だな。
「涼、どうする?」
小声でたずねてきた健太の顔はとある方向に同意を求めているようだった。
「いいんじゃないか、そこ行こうぜ。」
翔子と健太の顔が相反するかたちになった。
「裏切り者!」
そう言ってると思われる健太の眼差しをするりとかわし、植物たちの管理終わらして学校を後にした。