大好きな変な家族たち。◆
「志保も、建志も、どっちも素敵よー!!!」

急に後ろから

元気いっぱい声が降り注ぐ。




「「お母さん!!」」


二人の声が重なる。


「サツキさん。父とは遊び終わったかい?」

父はゆっくりと立ち上がって、
母の方へと向き直る。

「やだぁ。高志さん。
 あんな、変体ドSじじぃと遊ぶなんて。
 
 私、そんなに趣味悪くないし。
 
 そんなこと望んでするぐらいなら、
 高志さんのそばにいたいっちゅーの」

紺のスーツを着こなし、
気の強そうな母が立っていた。

母は子供っぽく肩をすくめた。


「サツキさん。
 君は綺麗なんだから、もう少し優しい言葉で話して。

 美人が台無しだよ」

父がニコニコしながら、しぃっと母の唇に人差し指をつける。

「そうね。ごめんなさい。」

母はニヤリとして
父を見つめてハグする。

私と建志は顔を見合わせて
やれやれ、といった具合に立ちあがった。

そんな、赤面の言葉ももう我が家では日常だ。

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