大好きな変な家族たち。◆
「失礼します」

思い空気を打ち消すように、
ふすまの向こうから
声がする。

西辻だ。


「入れ」

おじい様が低い声で簡潔につぶやく。


すっと西辻がふすまを開ける。

「失礼します。・・・・・・社長。本社から緊急のお電話です」


「・・・・折り返して~?」


やれやれ。といった風に父は左手をひらひら返す。



「しかしながら…」

西辻は表情を変えずに父を見つめる。
わざわざ、間に入ってくるほどの電話の取次だ。
相当緊急なんだろうというのが雰囲気で伝わる。


「いいぞ。高志。行って来い。





 結果は変わらん。志保は結婚させる。」







おじい様の冷たい声が響く。







私の政略結婚



それが、

おしどり夫婦の両親の離婚問題の原因。


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