大好きな変な家族たち。◆
「志保」

ふと、声がかかる。

寝てたみたい。



ぼやっとして見渡すと、
すわっていたベンチの隣で
奈津美が笑ってた。

大学4年生の志保はもう卒業までの単位もとったし、
もう卒業を残すのみなのだが、

友人の授業が終わるのをまとうと思って、
大学の中庭のベンチで休憩していた。



「奈津美ごめん。気が付かなくて」

「別に~」

なんて、たわいの無い会話が始まる。
奈津美は志保と小学生の時からの友人だ。


「ねぇ、志保。大丈夫?」

「何が」


とぼけてみせる。

わかっている。
奈津美が言いたいのは、
ココ最近の私の家の事情。


まぁ、

簡単に言うと、


両親の離婚の危機。
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