大好きな変な家族たち。◆
幸せになって欲しい。
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その日の夕食は久しぶりに家族がそろうというのに重いものだった。
家政婦さんが作ってくれた美味しそうな夕食が並んでいる。
それを静かに口に運ぶ。
おじい様も、お父さんも、お母さんも
無言で食事を勧める。
志保の隣では建志が
この重い空気に 苦笑いしながら食事を進めている。
「…志保はどうしたいの?」
デザートのケーキを出されたときに
ようやく重たい空気を払うように母が口を開いた。
「…」
ちょっと戸惑う。
「だから、志保はわしが決めた相手と結婚してもらう」
おじい様が 口を挟む。
相変わらずの強引さに、思わず私はため息が漏れる。
「ちょっと。おじい様には聞いてないですけど」
母がむっとして 話をさえぎる。
「うるさいっ。サツキさんには、わからんじゃろうが、
柳瀬川家にはふさわしい相手というのが…」
「うるさいわね~。私がそんなに気に入らないのはわかりますけど
志保を巻き込まないでくれます?」
母は言葉を続ける。
「私が庶民の出身で、一人息子を私にとられたからって、
孫にどこぞの『御曹司』を押し付ける
今の時代 政略結婚 なんて、はやらないですよ。」
「大体、お義父様は頑固すぎなのよ!
女の子は普通に恋して結婚したいものなのよ!!」
母は怒りに任せて
どんどん、声を荒げる。
父はその隣で、ゆっくりとコーヒーに口をつける。
その日の夕食は久しぶりに家族がそろうというのに重いものだった。
家政婦さんが作ってくれた美味しそうな夕食が並んでいる。
それを静かに口に運ぶ。
おじい様も、お父さんも、お母さんも
無言で食事を勧める。
志保の隣では建志が
この重い空気に 苦笑いしながら食事を進めている。
「…志保はどうしたいの?」
デザートのケーキを出されたときに
ようやく重たい空気を払うように母が口を開いた。
「…」
ちょっと戸惑う。
「だから、志保はわしが決めた相手と結婚してもらう」
おじい様が 口を挟む。
相変わらずの強引さに、思わず私はため息が漏れる。
「ちょっと。おじい様には聞いてないですけど」
母がむっとして 話をさえぎる。
「うるさいっ。サツキさんには、わからんじゃろうが、
柳瀬川家にはふさわしい相手というのが…」
「うるさいわね~。私がそんなに気に入らないのはわかりますけど
志保を巻き込まないでくれます?」
母は言葉を続ける。
「私が庶民の出身で、一人息子を私にとられたからって、
孫にどこぞの『御曹司』を押し付ける
今の時代 政略結婚 なんて、はやらないですよ。」
「大体、お義父様は頑固すぎなのよ!
女の子は普通に恋して結婚したいものなのよ!!」
母は怒りに任せて
どんどん、声を荒げる。
父はその隣で、ゆっくりとコーヒーに口をつける。