大好きな変な家族たち。◆
「おじい様。
おじい様が、事業拡大のためとは言いつつ、
私のために良家の縁談を持ってきたのはわかっています。
でも、
今度の春で卒業し、
就職先も決まりました。
今は
結婚相手がどうとかではなく、
自分自身のために、生きたい。」
おじい様の目を見つめた。
思えば、おじい様にこんなにはっきりと自分の意見を言うのは
初めてかもしれない。
胸が高鳴って、手が汗ばむ。
「志保。」
建志は、そっと私の肩を押して椅子に座らせる。
そして、優しくよしよしと頭を撫でた。
そして、「大丈夫。かわいい妹を守ってあげる。」
と、私にしか聞こえないぐらいの声で優しくささやいた。
私が、戸惑っていると建志が立ち上がって話し始めた。
「おじい様。
志保もそういってるから、白紙でいいんじゃない?」
建志がにこにこ笑いながら言う。