大好きな変な家族たち。◆
おじい様は眉間にしわを寄せて建志をにらむ。
建志はそれをにっこりと笑顔で受け止める。
「ふぅ。それにさー。おじい様の実力も衰えてるしさ~。」
「なにっ!?」
「だって、わざわざ婚姻関係を結ばないと提携できないんでしょ?
それって、こちらが信用されていないってことでしょ?
事業拡大の足掛かりを、
わざわざ政略結婚っていう最終手段に持ち込むぐらいだから…」
建志はニヤっとする。
「そそっそんなことはない。わしなら話術と駆け引きで
あっという間に業務提携じゃっ!!!」
おじい様はそういって ガタン と立ち上がる。
「そうなんだ。じゃ。志保の政略結婚なくてもいいんじゃない?」
「うぅ・・・・」
こういう時、建志を心の底から敵に回したくないと思う。
「それにさ。お母さんも離婚するって言っても、
どうせ、お父さんから離れられないんでしょ?」
図星だったらしい、
言葉に詰まって、母は顔を赤くする。
「お父さんもさ、面白がってないで
さっさと解決してよ。」
父はふふふと微笑んだ。