大好きな変な家族たち。◆
西辻さんは仕事が出来るし、こういった気遣いも上手い。
西辻さんが迎えてくれるってことはきっと父も家にいるんだろう。



「ありがとう。西辻さん。」

私は、ふふっと笑ってから西辻さんの横を通り抜ける。

以前、大学へは歩いて通いたいと言って
おじい様と言い争いになった時、
説得してくれたのが西辻さんだ。

父が二人いるみたいで、西辻さんの存在は
私にとって大切なものだ。



「お嬢様。使用人にお礼はいりません。仕事ですから」

にっこり西辻さんは笑って通用口をかちりと閉めた。




よく手入れされた前庭を抜けて玄関の方までくると、
聞きなれた元気な声が飛び込んでくる。







「しーーほっ!!」


「けんし!」

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