大好きな変な家族たち。◆
「志保!!
俺もいまついたんだよ!」
くったくの無い笑顔でかけてくる同じ顔の兄をみつけ、
お互い抱きつく。
「元気だった?志保。
ちょっと、やせた?」
「大丈夫だよ。建志。ありがとう。」
『王子』は気遣い上手。
ひがんでいるわけじゃない。
だって、建志と私は同じだけど、違うもの。
建志の笑顔は優しくて、
なんだか、こっちまであたたかくなる。
「志保…俺に帰国命令がでるぐらい
そんなに仲悪くなったの?お父さんとお母さん…」
「いーーえ。
あの二人は、仲良しだよ。
相変わらずのラブラブっぷりで、当てられちゃうよ。
年頃の娘がいるっていうの、忘れてるんじゃない?」
思わず肩をすくめる。
後ろで西辻さんがくくくっと笑いをこらえている。
そう。
志保の頭を悩ます
志保の家の離婚問題の中心。
お父さんとお母さんは、
おしどり夫婦で有名なのだ。