好きにならないで。



その言葉を聞いた里奈は泣きそうになっていた。


けど、里奈の頬には涙が流れなかった


「ごめん……」



震える声で言って里奈は教室を出て行った



あの子は昔から強い子だった



何でも一人で抱え込んでた





あたしが小4の時、里奈の噂を聞いた事がある





【里奈のお母さんって浮気ばっかりしてるんだって】



って……




その噂を聞いた里奈はあたしに話してくれた



――――――――――――
――――――



「本当なんだ……お母さんが浮気してるって…」



「里奈……」



「だからかな…?男ってすぐ騙せる。って思うようになっちゃって」




「そう、なんだ……」




――――――――――
――――――――――――――――




そうだよ……



里奈は…里奈は弱い自分を出したくなくて強がってるだけなんだ





何で気づかなかったんだろう…




あたしは偽善者だ






だけど…偽善者でもいい!!




里奈の心の叫びを聞きたい



ちゃんと、真っ正面からぶつかりたい





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