好きにならないで。
*.もう離さない
その時だった
ギィー……
「なぁ…麻遊、それ本当か?」
屋上の扉が開く音と共に聞こえた声
「……はる、と…」
声が震えて涙で目が霞む
“麻遊”って何度も呼ばれたいって思ってた
「今、佐凪が言った事…本当か?」
もう一度、遥翔が真っ直ぐあたしを見て言った
「本当よ!!あたしが麻遊に言ったの!!
五十嵐くんに関わるなって」
あたしが口を開こうとしたらりーが言った
「…それでお前あんな事言ったのか?」
コクンと頷いてから「ごめんなさい…」と謝った
もう嫌われたって思ったら涙が溢れてきた
「バカだろ……!!
本当に…」
けど遥翔はあたしは抱き締めてくれた
あたしが昔の事を言った時みたいに…
強く、抱き締めてくれた
「……好きだ」