好きにならないで。


とりあえずまたわかる範囲で探した




もう駄目かと諦めようとした時


膝に手を当てている麻遊を見つけた


ほっとしたあたしはゆっくり麻遊に向かって歩いた





肩にポンッと手をおくと驚いた顔をしていた






それからどこを探したかとか聞いて、屋上に行くことにした







夢をなくす場所





あたしは麻遊が病院の屋上で死のうと思ってたのを聞いた時






あの時の記憶が蘇った





必死に止めるあたしの声


それを優しく微笑み返すお母さん


そして、スローモーションのようにゆっくり落ちていったお母さんーーー




その時の記憶が鮮明におもいだされた







もうあたしはあの時のような思いをもうしたくない





泣いて泣いて……


涙が枯れるんじゃないかってくらい泣いた


もう泣かない。って決めても体は正直で涙が収まることはなかった







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