好きにならないで。
教室を出て、どこを探そうかと立ち止まった時
頭の中にある場所が浮かんだ
そこに向かってあたしは全力疾走した
“夢を……未来を。麻遊に失ってほしくない”
その思いがあたしの走る速さに加わった
バタン…!!と音をたてて、屋上の扉が開いた
「麻遊っ!!!!!!」
あたしは思いっきり叫んだ
麻遊は柵を乗り越えていて、後一歩で真っ逆さまだ
「麻衣……」
「ねぇ…麻遊、聞いてほしいんだ」
「え?」
あたしは話し始めた
あの時の事を