好きにならないで。




「…詳しく説明した方がいいよな」


「お願いします」




「三年前、ある男に言われたんだ


その男は俺の友達なんだけどな


“しばらく家族と離れてくれ”って言われたんだ

理由を訊いたら

“じゃなきゃ、大変なことになるから”

必死だったから承諾しちまったんだよ…
でも、それが間違いだった」




「…………」


暁斗さんの顔は泣きそうだった


俺はなにも言えなくて黙っていた




「その後、麻遊は誘拐され監禁にまであった…



あれは俺のせいなんだ…!
俺があいつの言うことを聞かないで麻遊の送り迎えを続けていれば起きなかったことだったんだよ……」




つまり…



「暁斗さんの友達の男が麻遊を監禁して暴力を振るったりしたんですか!?」




思わず語尾が強くなった






犯人が暁斗さんの知り合い……





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