好きにならないで。
涙目になってるのを見られたくなくて下を向いてると、ガタっと前の席から音が聞こえた。
それと同時に
「きゃー!!やった!!麻遊同じ斑だよ!!」
と、可愛い声が聞こえた
その声の主を見ると、その人はみるみる顔を真っ青にしてあたしの腕を引っ張った
「わっ!!……麻衣!!急にどうしたの!!」
麻衣はあたしの質問に答えずひたすら廊下を走っていた。
そして、どこかの空き教室に入ってイスに座らせられた
「ま、麻衣……?」
「…………」
麻衣はずっと下を向いててあたしが呼んでも反応しなかった
「………で、」
「え?」
小さくてよく聞き取れなかったが確かに麻衣は何か言った
「何で……麻遊、泣きそうになってたの!!?」
「………はぁ?」
え…何でそれで麻衣が泣きそうになってんの?
「うぅ……麻遊が泣きそうになってるからー、心配したじゃん!!」
「………麻衣。ありがとう」
本当に嬉しかった。
まさか、気づくとは思ってなかったから…
あの時麻衣に顔を向ける前に涙を拭いたのに……