右手に剣を、左手に君を
……よしよし。やればできるじゃないか……。
自分の出番がなくなってホッとしたのもつかの間。
今まで黙っていた野田が、信じられない事を口にした。
「じゃあ、一回、させてくれるだけでいい……」
…………。
!?
何だとおおおおおおお!?
「させるって……何を?」
聞くなよ!!
「そりゃあ……決まってるだろ。
セ…」
「答えるなっ!!」
尾野の返事の途中。
俺は思わず、その場に飛び出してしまった。
「コウくん!」
「御津」
「御津くん……」
三人がこちらを見て、目を丸くする。
「あ、あわわ、あの、だから……」
「コウくん?聞いてたの?」
「き、聞いてない。聞こえてきただけ」