右手に剣を、左手に君を
唇どうしが触れた瞬間。
「……!?」
唇に熱さを感じて、思わず身体を離した。
龍神の姫の身体が、青く輝く。
「まさか……目覚めるのか?」
やはり面白がっていただけの雅が、意外そうな声を出す。
そして……。
彼女の長いまつ毛が揺れて。
まぶたが、ゆっくりと開いた。
こぼれ落ちそうな、大きな瞳。
その深い海のような青さに、俺の目は奪われた。
ゆっくり、ゆっくりと……。
彼女は、起き上がった。
青い光が、消えていく。
そして、何度かまばたきをし、俺を見つめると。
大きな目をさらに大きくして、唇を動かした。
「忠信様……?」
鈴の鳴るような小さな声で呼んだのは、俺の先祖の名だった。
「ち、違う。俺は子孫の……」
「忠信様!!」
「ぎゃあぁっ!!」